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DIYでの棚作り、使う環境によってはスライドレールを活用することでグンと使い勝手が良くなることも。
こちらのページでは、そんなスライドレールをDIYで活用するための情報をまとめてご紹介します。
スライドレールでDIY
まずは筆者がスライドレールを使ってDIYしたデスクとキッチン収納棚の事例をご紹介します。
スライドレールパソコンデスクに引き出し風
こちらは、パソコンデスクの天板に引き出しを取り付けたものです。
引き出しといっても、あまりごちゃごちゃとした引き出しになるのは避けたかったこともあり、あえて外枠のない板状の引き出し風で作りました。
スライドレールもこのような形状なら比較的簡単にトライできます。
この引き出しには、スリムタイプのスライドレールを使用しています。
手前に板を取り付けて、一見引き出しのような形状になっていますが、囲いのない板があるだけです。
滑り止めマットを敷いて、よく使うものだけを厳選して置いています。
ケースを両面テープや接着剤で貼り付けてカスタマイズすることもできます。
続いてキッチン収納用の棚です。
こちらは、冷蔵庫と既存の食器棚の間のスペースを有効活用するために作成したものです。
トースターやオーブンなど、使用時に一定の空間が必要な家電に配慮して作りました。冷蔵庫の設置スペースも考慮しています。
オーブンやトースターのまわりには、メーカーの指定以上の空間を確保しなければなりません。
こうした空間を確保しつつ、使いやすい高さも考えながら作成した結果、このような配置になりました。
ここで、高温になるトースターや、最下段に置くことになった電気圧力鍋は、棚部分が引き出し式にしたほうが使い勝手が良さそうだったので、スライドレールを取り付けました。
こうして棚を可動式にすることで、かなり使い勝手も良く快適、使わないときは、棚を収納すればキッチン全体がスッキリします。
調理中だけ引き出して、ものを置くといった活用も可能ですね。
スライドレールを使うと、普通の棚でもこんな風にちょっと便利にバージョンアップすることができます。
スライドレールの種類
スライドレールには、いくつか種類があります。
DIY用としてホームセンターなどで手軽に入手できるのは、
- ローラータイプ
- ベアリングタイプ
といったものがあります。
ローラータイプのスライドレール
ローラータイプのスライドレールには、このようにパーツにローラー状のものが取り付けてあり、このローラーの上をセットのレールが転がりスムーズに引き出すことができます。
ベアリングタイプよりリーズナブルで、数百円~入手できます。コンパクト、軽量なのも魅力です。
引き出しを棚から取り外すのも楽にできます。
ベアリングタイプのスライドレール
ベアリングというのは、中に小さな金属のボールやローラー状のものが複数内蔵されているもの。「滑らかな動き」を助けるパーツとして様々な機械で使用されています。
このベアリングタイプのスライドレールは、非常に滑らかに動きます。
ローラータイプのスライドレールより価格が高くなりますが、その動きはとてもスムーズで、特に重い物を乗せる場合でも頑丈で耐久性もあり、頼れるパーツです。
ただし、ローラータイプと比較すると、頑丈な分、やや厚みなどがあり、重量感もあります。
ローラータイプのように、引き出しを取り外すことができるものもありますが、ミニタイプのものなどでは取り外しができないタイプもあることに注意です。
ベアリングタイプのスライドレールを購入するときは取り外しができるタイプの方が取り付けも簡単なのでおすすめします。
冒頭でご紹介した筆者のDIY事例では、いずれもベアリングタイプを使用しています。
ローラータイプより値段は高いですが、頑丈で安定感のあるスムーズさが気に入っています。
スライドレールの失敗しやすいポイント
スライドレールはとても便利なのですが、取り付けでは少し注意が必要です。
スライドレール設置は高さを揃えて平行に
まず、引き出しの底面が棚板にこすらないように、数ミリの板を敷いて適度な隙間を開けて設置位置を決めていきます。
スライドレールはふたつのレールを両側に付けて取り付けるのが基本ですので、その高さが揃っていて、かつ平行でなければ引き出しをうまく取り付けることができません。
正確な寸法の板などをガイドとして、底板から垂直に、手前と奥側が平行になるように、両サイドも揃うようにしっかりと計測、えんぴつなどで印付けをしたうえで仮止めをするなどして、慎重に取り付けましょう。
このとき、水平器などがあると便利です。
せっかくスムーズに動くスライドレールなのに、ここが揃っていなければスムーズな動作ができなくなってしまいます。
スライドレールの長さ選び
また、スライドレールの長さにも注意が必要です。
スライドレールには、長さもいろいろあります。
選ぶときは、必要な奥行にあったものを選びましょう。設置する棚などの奥行より短いものを選ぶと、その奥行を有効に活用することができなくなります。
棚の奥行に最も近く、なるべく長いもの、かつはみ出さない長さのスライドレールを選びます。
スライドレールの厚みにもいろいろあるので、引き出しのサイズを決める際にはこの厚みチェックも忘れずにしておきます。
スライドレールの取り付けとネジ選び
スライドレールには、ネジが付いているものと付いていないものがあります。
スライドレールの動きの妨げになるようなネジでは取り付けの失敗になります。皿ビスで、スライドレールの穴に合った指定サイズのものを選びましょう。
ものによっては穴がとても大きなものもあるので、取り付け前に商品の説明部分をチェックしておくことをおすすめします。
スライドレールDIYでの失敗事例
ひとつ、筆者のDIYでもスライドレール取付での失敗がありました。それがこちらの引き出しです。
まだまだDIYを初めて間もない頃に、手探り状態で取り付けたものです。
テーブルに棚と引き出しを取り付けたのですが、天板から引き出しの手前の板がはみ出して、下に下がりすぎています。さらに写真ではわかりにくいのですが、ピタッと閉まらずにやや隙間が開いてしまうのです。
この手前の板がはみ出しているのは、最後まで閉まらないのも原因です。最後まで閉まらないのは、スライドレールが手前側に寄りすぎて取り付けてしまったことが原因です。
DIYでは、こうしたちょっとずつのズレが失敗の仕上がりに繋がっていくんですよね。
スライドレールをいったん取り外し、少し奥にずらして取り付けし直せばよいのですが、手順も悪かったため、もはや破壊しない限り取り外すこともできません。ということで、このように失敗したままで使っています。
当たり前なのですが、引き出しを閉めたときの前板の厚み、天板のはみ出し幅との関係など、しっかり考えておかないとこういったことになります。
このスライドレールは、ミニベアリングタイプで、ふたつのパーツが組み合わさっているのですが、そのパーツ同士、取り外しができないタイプのものであったこともこの失敗の原因のひとつです。
先述しましたが、スライドレールには取り外しができないタイプもあるので注意が必要です。パーツを外してそれぞれ取り付けをするタイプであれば、修正も可能だったのですが、取り外せないタイプの場合は、完成してしまうと手やドライバーが届かず、修正が難しくなる場合もあります。
ビス止めだけなら分解してやり直せるのですが、筆者はボンドで補強しながら作っていたこともあり、やり直しは不可能でした。
最初の設置位置なども大事ですが、このように、引き出しを閉めたときの収まりにも注意が必要です。
さいごに
スライドレールを使うと、DIYでの家具造りも一層楽しいものになります。
筆者のような失敗をしないように、しっかりと組み立てる手順を考えて、仮止めなどを行いながら進めていきましょう。
微妙なズレくらいはなんとかなるので、簡単な棚からトライしてみてはいかがでしょうか。
ひとつ取り付けたら、きっとあちこちに活用したくなるはずです。
mamamakiと申します。DIYの知識が全くなかったDIY初心者の頃から家のリフォームにチャレンジした経験があります。いまではDIYでデスクや棚、キッチンカウンターなどを作るなど日々ものづくりを楽しんでいます。初心者の頃に体験した失敗談など織り交ぜながら、DIY初心者さんの参考になる役立つ情報をお届けします。