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DIYなどでペンキ、塗料を使って色付けをしている方はペンキや塗料の違いやそれぞれにあった使用法についてどこまでご存知でしょうか?ほとんどの方はこの【ペンキと塗料の違い】すら説明することができないのではないでしょうか。
実はペンキと塗料というのは全く別のもので、同じだと思って使っていると損をする可能性があります。この2つの違いを明確に理解しておくことで損をすることなくより効率的に作業を進行できます。
ということで今回の記事ではこれらペイントのことに関して詳しく解説していきます。
ペンキと塗料の違い
ペンキと塗料は同じ物。なんて言っている書籍や記事もあるそうですが厳密にはかなり違います。ペンキも塗料も塗って色付けするという点では同じ物と言えるかもしれませんが、素材に塗って色付けをするという役割以外に同じものはありません。
ペンキと塗料の違いは
- 成分
- 乾燥時間
- 劣化速度
主にこの3点です。
成分
成分面では、塗料は樹脂・顔料・添加物の3つから構成されているのに対して、ペンキは長油性アルキド樹脂ワニスに顔料を混ぜたものでかなり違いがあるのがわかると思います。
端的に言うと塗料は合成樹脂を主成分とし、ペンキは樹脂を調合して作られているんです。
乾燥時間
次に乾燥時間。ペンキは塗ってから完全に乾くまで2〜3日ほどかかります。外壁をペンキで塗った場合、この2〜3日の間に雨などで濡れるとペンキが垂れたりして見栄えがものすごく悪くなります。
また、雨などの水の影響等でペンキを塗り直しをすると再び2〜3日の時間がかかってしまいます。
その反面、塗料は乾燥までに大体4〜5時間程度しか掛からないので濡れるリスクはペンキよりグッと少なくなります。また万が一塗り直しになっても乾くまでが短時間なので塗装に関してはペンキよりも塗料の方がストレスなく作業できると思います。
これだけ見るとペンキに良い印象を持たないと思うので一応補足として、全てのペンキが乾燥に時間がかかるというわけではなく、『合成樹脂調合ペイント』『オイルペイント』という種類のものは比較的乾燥スピードが速いです。
ですがそんな『合成樹脂調合ペイント』『オイルペイント』も耐候性が低いのでどちらにしても外壁塗装などには不向きです。
劣化速度
最後に劣化速度についてです。
通常、気候の変化、野外で使用された際に太陽光・紫外線や温度の変化によって劣化が進行しますが、その進行への耐性のことを耐候性(たいこうせい)と言います。
その耐候性において、塗料は耐候性が高く耐用年数も比較的長いです。それに対しペンキで外壁塗装などをすると耐候性が低いため変色や劣化が起こりやすくなります。そのため塗料で塗装するよりも短いスパンで再塗装をする必要があります。
さて、ここまでざっとペンキと塗装の違いについてご紹介してきましたが、これを見ると塗装をするとき、塗料を使わない理由はないと思いますよね。ここまでの性能差でペンキを使おうと思った方はいないと思います。
では塗装においてペンキは塗料よりも優っている点はないのでしょうか。
1つ、ペンキの方が塗料よりも安価であること。が挙げられます。
当然、ものによって価格は違うので一概には言えませんが大抵のペンキは塗料よりも安価です。そのためコストを極力押さえたいという方にとってはペンキの方がいいのかもしれません。
また、家にある小物の塗装、ちょっとしたDIYで塗装をする場合はペンキでも充分な場合が多いです。
しかし、外壁塗装などの大きなものを塗装をする際は、コストが低く済むからといってペンキを使用すると、耐候性が低いために塗装が剥がれ落ちたり変色したりして再塗装が必要になってしまうことが考えられます。再塗装をするとまたペンキが必要になりますしペンキを塗る作業はすぐには終わりません。
そのため、かえって時間やコストを多く消費してしまう可能性があります。なのでコストを抑えたいという理由だけでペンキを使用するのはあまりおすすめできません。
結論:どっちを使えばいいの?
結論としては、家具や小物雑貨などの色付けで使用するのなら比較的安価なペンキを使用した方が良く、外壁塗装などの大きなものの塗装をする際は、いくらコストを押さえられるからと言って外壁塗装においてポテンシャルの低いペンキを使うのではなく、ポテンシャルの高い塗料を使用する様にしましょう。
続いて、正しいペイントの仕方をご紹介していきます。ペイントをする前にしておくべき下地処理やそれぞれの道具ごとに注意するべき点などをまとめました。
水溶性のペンキや油性のペンキ、基本的に塗り方は同じですので水溶性のペンキをお使いの方も油性のペンキをお使いの方も参考にしてみてください。
木材の場合の下地処理
ペンキを使用するとき、多くの方は木材に塗ると思いますが買ってきた木材をそのままペンキで塗装して失敗した経験があるという方はかなり多いと思います。
購入したばかりの木材の多くは表面のざらつきや凹凸、ささくれなどがありペンキを塗るのには適していません。
なので綺麗に製材された木材でない場合は必ずペンキを塗る前に下地処理をする必要があります。
まず基本的なことですがとても大事なやすりがけ。やすりがけをするだけで木材表面の凹凸をなくし、平らにすることができます。ですのでやすりは木材全体に入念にしましょう。
また木材には木の節や凹みがある可能性があり、それらがあった場合にはしっかりとした対処が必要です。
木の節や凹み部分にはやすりがけて内部を綺麗にします。綺麗にしたら木部用のパテを使い穴を埋めます。埋めたパテが乾いたら、パテと周りの木材との高低差が出ない様に入念にやすりがけしましょう。
やすりがけて木材表面が綺麗になったらプライマーという下塗り塗料を塗っていきましょう。
金属の場合の下地処理
金属に塗装をする際にサビがある場合は金属の光沢が出るまでワイヤーブラシややすりを使い落としましょう。ワイヤーブラシなどがない場合は古い金たわしなどを使うと綺麗にサビを落とすことができます。
金属に光沢が出てきて、ごみやサビのカスも付いていない状態であればプライマーの作業に移っていきましょう。
プライマーは下地処理剤や表面処理剤としての効果がある下塗り塗料です。
これを薄く塗ることでペンキや塗料のノリが良くなります。このプライマーは多く塗ると乾くまでに時間がかかりますしもったいないので、あくまでも〝薄く〟塗りましょう。
そして金属対応の塗料を使用しましょう。油性の方が耐久性や落ちにくさが有りますが取り扱いが難しく、大変なため、初心者の方や強いこだわりのない方には水性の塗料をお勧めします。
また木材塗装とは違って金属塗装は物理的にどうしても塗りにくい箇所があったりします。その時はスプレータイプの塗料を使用して色付けをしていきましょう。
ハケで塗る場合
新品のハケや長期間放置されていたハケを使うと毛が抜けることがあり、塗装中に毛が抜けると抜け毛が入ったまま固まってしまいます。そうならないようにするには事前に抜け落ちそうな毛を排除しておく必要があります。
まずザラザラしたところにハケを撫でているように動かします、コンクリートの上や、やすりの上を使うのがおすすめです。撫でる様に動かすと抜けかけの毛が出てくるのでその毛を手で取り除きましょう。
ペンキをつける時はハケの毛の3分の1くらいにペンキをつけましょう。全部をつけてしまうと根本までペンキが入り込んだりするため洗うときに手間がかかります。
そしてハケでペンキを配り、その後塗りを広げたら、気をつけるべき点があります。最後にハケを塗ったとき、そのハケの通った跡が残りそのまま固まってしまいます。なので最後にハケを通す時は塗り終わりの方向が同じになる様に一方方向に引きましょう。
そうすることでペンキが乾燥したときに塗り後でぐちゃぐちゃにならずに見栄えがよくなります。
ローラーで塗る場合
ローラーで塗る場合は、まずローラーがしっかりとスムーズに回るかどうかを確かめ、その後ローラー表面にあるホコリやゴミを軽く叩いたり、手で取り除くなどしてローラー表面を綺麗にしましょう。
そしてバケットにペンキを注いで、ローラーにペンキを染み込ませたらローラーに含まれてるペンキの量を調整します。多すぎると塗るときにびしょびしょになったりしますし、逆に少なすぎるとすぐにインク切れしてしまいとても効率の悪い作業になってしまいます。
なのでちょうどいい目安としては、ローラーを持ち上げてペンキが垂れ落ちない程度までペンキを落としましょう。
そしてローラーでペンキを配り、ペンキを伸ばしていきます。そしてハケの時と同様に最後にローラーで塗る時は一方方向に真っ直ぐと動かしましょう。
まとめ
ペンキと塗料の違いは主に成分・乾燥速度・劣化速度の3つです。
ペンキは塗料に比べ、劣化しやすいですがその分低価格なので小物雑貨などの塗装に向いています。
塗料はペンキより価格が高くはなりますがその分、劣化や変色のしにくさが高く外壁など長期間使用する大きな場所に塗装するときに使うべきです。
そして、ペンキや塗料を使用してハケやローラーで塗装をするときの要点は
- 木材でも金属でも滑らかで凹凸のない綺麗な表面にすること
- 可能ならプライマーを利用しよう
- ハケやローラーの下準備もしておくこと
- ハケやローラーで最後に塗る時は一方方向に塗っていくと見栄えが良くなる
とこんな感じです。是非、塗装をするときに今回の記事を参考にしてみてください。
初めまして、Bintoro(びんとろ)と申します。私は小学生2年生の頃から
自分で何かを作るというのがとても好きでした。
ホームセンターに行って木材を買い、
本棚を作るくらい小さい頃からDIYが好きで、
その中の知識や経験を活かして記事を執筆しています。